【産業医科大学小児科クリニカルカンファレンス】

日 時 : 令和8年5月11日(月)17:00~
場 所 : 産業医科大学2号館 2階 2305教室+ZOOM

1⃣担 当 : 神経グループ
演 者 : 五十嵐亮太、柴原淳平
演 題 : 小児MOG抗体関連疾患:症例から見る臨床像と診療の課題
要 旨 : MOG抗体関連疾患(MOGAD)は、中枢神経の炎症性脱髄疾患の一つであり、小児では視神経炎、脊髄炎、ADEM、脳幹脳炎、皮質脳炎など多彩な臨床像を呈します。当初は単相性で再発が少なく、比較的予後良好な疾患と考えられていましたが、近年では頻回に再発する例や、視力障害・運動障害などの後遺症を残す例も少なくないことが明らかになってきました。
今回のCCでは、実際に経験した小児MOGADの症例を通して、初発時の症状、鑑別診断、画像所見、抗体検査、急性期治療への反応とその後の経過を振り返ります。そのうえで、MOGADの疾患概念、AQP4抗体陽性NMOSDとの違い、再発リスク、ステロイド治療後のフォローアップ、再発予防治療の考え方など、日常診療で直面する課題について解説します。
「感染後の脳炎・脳症」「ADEM」「視神経炎」「急性脊髄炎」として遭遇する症例の中からMOGADを疑い、適切な診断と治療、そして再発を見据えた長期的な診療につなげる視点を、症例を通して学ぶ機会としたいと思います。

2⃣担 当 : 新生児グループ
演 者 : 渡邉俊介、田中健太郎、菅秀太郎
演 題 : 2症例から考える後天性声門下狭窄に対する気管切開後閉鎖を見据えた長期フォローアップ
要 旨 : 後天性声門下狭窄症は、挿管回数や挿管期間が主なリスク因子である。遭遇頻度は高くないものの、人工呼吸管理を多用するNICUにおいては適切な対応を理解する必要がある。急性期には気管切開による気道確保が可能であるが、退院後も児の成長に伴う気道径の変化を踏まえた長期管理が必要となる。さらに、こうした継続的管理の先には気管切開孔閉鎖を目指し得る症例もあるが、その実現には10年近い経過を要することもある。今回、自施設で経験した後天性声門下狭窄症の2症例について、NICU入院中の経過および退院後の長期フォローアップを報告する。

***********************
産業医科大学小児科学講座
〒807-8555 福岡県北九州市八幡西区医生ヶ丘1-1
Tel:093-691-7254 Fax:093-691-9338
e-mail:j-syoni@mbox.med.uoeh-u.ac.jp
***********************

【産業医科大学小児科セミナー】

日 時: 令和8年4月30日(木)17:00~
場 所: 産業医科大学2号館3階 2305教室+ZOOM
担 当: 感染症グループ
演 者: 永汐孟、川村卓、多久佳祐、小川将人
演 題: 血流感染を見抜く ― 血液培養とデバイス関連感染症の診断戦略 ―
要 旨: 医療の高度化に伴い、医療関連感染症(HAI:Healthcare-Associated Infection)への対策は避けては通れない課題となっている。中でもデバイス関連感染(DAI: Device-associated Infection)は、近年当院においても発生が散見され、その診断と治療戦略に難渋する症例も少なくない。
DAIの代表格であるCLABSI/CRBSIにおいて、血液培養は診断の「黄金律」である。従来、小児でも2セット採取の重要性が説かれてきたが、実臨床での遵守率は低迷している。さらに、近年の世界的なボトル供給不足を受け、これまでの『回数を重ねて本数を確保する』文化から、検査の必要性を厳選し、かつ1回の穿刺で十分な量を確保するエビデンスに基づいた『量と質の最適化』への転換が求められている。
血液培養の基礎と採取戦略をはじめ、CLABSI/CRBSIにおけるバイオフィルム形成を背景としたデバイスの「抜き時」の判断、ハブ消毒やロック療法、CAUTIやVAPにおける過剰診療を防ぐための鑑別診断などについて最適なアプローチを考えていく。

***********************
産業医科大学小児科学講座
〒807-8555 福岡県北九州市八幡西区医生ヶ丘1-1
Tel:093-691-7254 Fax:093-691-9338
e-mail:j-syoni@mbox.med.uoeh-u.ac.jp
***********************