2月のセミナーのお知らせ

【産業医科大学小児科セミナー】

日 時 : 令和6年2月29日(木)18:00~
場 所 : 産業医科大学2号館 2階 2208教室
担 当 : 新生児班
演 者 : 菅秀太郎・田中健太郎(小児科)、長坂昌平(脳神経外科)
テーマ: 新生児・乳児における位置的頭蓋変形(頭のゆがみ)に対するヘルメット療法を含む最新の知見 ― 脳神経外科と小児科の視点から
要 旨 : 位置的頭蓋変形症(頭のゆがみ)とは、乳児の頭蓋の同じ部位へ重力による圧力が加わることによって生じる頭蓋の変形です。この変形は、(1)斜頭症:後頭部または前頭部の左右一方が歪んでいる状態、(2)短頭症:前後径が左右径に比して短い状態、(3)長頭症:前後径が左右径に比して長い状態、に分類されます。斜頭症単独が半数以上を占め、斜頭症に短頭症を伴う例を合わせると約9割に達します。米国では1990年代に乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスク回避のために仰向け寝が推奨されるようになり、その結果頭蓋変形が増加し、ヘルメット矯正治療が始まりました。日本では2010年代から位置的頭蓋変形症の治療が本格的に始まりました。
日本における乳児頭位性頭蓋変形の現状として、医療者側の認識が低く放置される例があり、効果的な治療時期が限られているにもかかわらず、治療施設は少なく、患児が治療に結びついていないという問題点があります。近年、頭蓋形状矯正ヘルメット治療の話題が先行していますが、頭の形の診療には頭蓋縫合早期癒合症の診断や専門的な知識が必要となります。位置的頭蓋変形症(頭のゆがみ)についての概説を、当院の脳外科医と小児科医の視点から概説します。

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産業医科大学小児科学教室
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