【産業医科大学小児科セミナー】

      記

日 時: 令和7年11月27日(木)18:00~
場 所: 産業医科大学2号館2階 2205教室
演 者: 桑村 真美
テーマ:学位取得報告・Measurement of Bisphenol A Diglycidyl Ether (BADGE), BADGE derivatives, and Bisphenol F Diglycidyl Ether (BFDGE) in Japanese infants with NICU hospitalization history
要 旨 :ビスフェノールA(BPA)は内分泌かく乱作用を有することが知られており、我が国では食品衛生法により溶出量が規制されている。一方、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(BADGE)およびビスフェノールFジグリシジルエーテル(BFDGE)も同様に内分泌かく乱作用を有する可能性が報告されており、乳児への影響が懸念されているものの、これらの溶出量に関する規制は存在しない。BADGEおよびBFDGEは静脈内セット、注射器などの医療機器にも使用されている。本研究では、NICU入院歴のある乳児の血清中のBADGE、BADGE誘導体、およびBFDGEの濃度を測定し、それらに影響を及ぼす要因を検討したため本研究内容について紹介する。
私は衛生学教室において教員として勤務しながら本研究に取り組み、論文提出による学位授与を申請した。発表では、研究の概要に加え、学位取得に至るまでの経緯や、家庭との両立など自身の経験についてもお話したい。

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産業医科大学小児科学講座
〒807-8555 福岡県北九州市八幡西区医生ヶ丘1-1
Tel:093-691-7254 Fax:093-691-9338
e-mail:j-syoni@mbox.med.uoeh-u.ac.jp
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【産業医科大学小児科クリニカルカンファレンス】

日 時 : 令和7年11月10日(月)18:00~
場 所 : 産業医科大学2号館 2階 2208教室+ZOOM
演 者 : 島本太郎、齋藤玲子、桑村真美
テーマ: 救急で出会う高アンモニア血症~先天代謝異常を見逃さないために~
要 旨 : 高アンモニア血症は小児救急で遭遇する頻度は稀ではあるが、診断・治療の遅れは不可逆的な脳障害や致死的転帰につながるため、常に念頭に置くべき病態である。新生児・乳児期には尿素サイクル異常をはじめとした先天代謝異常が初発の契機となることがあり、原因不明の意識障害やけいれんを見た際には速やかなアンモニア測定が求められる。
今回、高アンモニア血症を呈した症例を通して、救急現場でまず行うべき初期対応、先天代謝異常を疑うための臨床的視点、そして専門医への連携や治療選択肢へ至る流れについて概説する。

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【産業医科大学小児科セミナー】

日 時 : 令和7年10月30日(木)18:00~
場 所 : 産業医科大学2号館 2階 2208教室+ZOOM
担 当 : 神経グループ
演 者 : 五十嵐亮太、柴原淳平
テーマ: 結節性硬化症の基礎と最新知見
要 旨 : 結節性硬化症(tuberous sclerosis complex:TSC)は、mTOR経路の異常を背景とする遺伝性多臓器疾患であり、てんかんや発達障害に加えて、脳・腎・心・皮膚などに多様な病変を生じます。小児期に発症することが多く、早期診断と適切な治療介入が生命予後・発達予後を大きく左右します。出生後は白斑のみを認める例も多く、積極的な診断と継続的なフォローアップが重要です。近年、ウエスト症候群に対するビガバトリンや腫瘍性病変に対するエベロリムスなど、特異的治療の導入によりTSC診療は大きく進歩しています。
本セミナーでは2名の演者が、結節性硬化症の基礎から臨床までを解説します。第1部では病態や初期症状からの診断ポイントを、第2部ではmTOR阻害薬を中心とした治療戦略と長期フォローアップの実際を紹介します。
日常診療の中で「もしかしてTSCでは?」と気づくことが、早期介入への第一歩です。若手の先生方をはじめ多くの方にご参加いただきたい内容です。

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【令和7年度産業医科大学小児科論文報告会(原著・症例)】

日 時:令和7年10月20日(月)18:00~
場 所:産業医科大学2号館 2208教室(現地開催のみ)
概 要:昨年9月から現時点に至るまでに採択された医局員の論文の中から原著部門、短報・症例報告部門でそれぞれ最もインパクトファクターが高い論文を紹介し、その筆頭著者を表彰します。またその研究内容や症例についてプレゼンテーションをしていただきます。

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【第20回八幡地区病院小児科合同カンファレンス】

日 時 : 令和7年9月22日(月)19時~
場 所 : 産業医科大学2号館2208教室+ZOOM
テーマ : 百日咳

演題①「当院における今季百日咳の特徴について」
演者:市立八幡病院  龍 正一郎 先生

演題②「著明な白血球増多を認め、治療に苦慮した百日咳の1例」
演者:産業医科大学病院 藤本 菜生 先生

演題③「交換輸血が有効であった百日咳の1例」
演者:JCHO九州病院 上能 巧真 先生

*演題は当日の状況で前後する可能性があります。

また3演題後、当日は九州大学PICUの先生に参加していただき、ECMO治療を行った症例を通して、各施設間でディスカッションを行う予定です。現地参加される先生方もWebで参加される先生方も忌憚のないご意見やご質問をお待ちしております。

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【産業医科大学小児科セミナー】

日 時 : 令和7年9月18日(木)18:00~
場 所 : 産業医科大学2号館 2階 2208教室
テーマ:産業医科大学小児科論文報告会(原著)

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【産業医科大学小児科セミナー】

日 時 : 令和7年7月31日(木)18:00~
場 所 : 産業医科大学2号館 2階 2208教室
担 当 : 腫瘍グループ
演 者 : 浅井完、宮本智成、水城和義、守田弘美
テーマ: 見逃してはいけないoncologic emergency
要 旨 : 小児がんは年間発症約2000例と決して多い疾患ではありません。しかし急速に進行することが多く、診断時もしくは治療初期にoncologic emergencyに遭遇することは珍しくありません。Oncologic emergencyは、がんに伴う緊急事態であり、早期対応が生命予後や神経予後を大きく左右します。腫瘍に伴う脊髄圧迫およびHyperleukocytosisによる頭蓋内出血という二つの実症例を通じ、腫瘍性疾患を鑑別に挙げるべき初期症状と、早期治療介入の重要性を解説します。初療医の「違和感」や判断が患者様の救命・予後に直結します。特に若い先生方にはこのセミナーを通して、日常診療の中で腫瘍性疾患を疑う視点を学んでいただけたらと思います。

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【産業医科大学小児科クリニカルカンファレンス】

日 時 : 令和7年7月14日(月)18:00~
場 所 : 産業医科大学2号館 2階 2208教室
演 者 : 産業医科大学 脳神経外科 助教 長坂 昌平 先生
テーマ: 北九州市における位置的頭蓋変形と頭蓋骨縫合早期癒合症の治療
~頭のかたち外来開設から現在までの取り組み~
要 旨 : 「赤ちゃんの頭のかたち外来」は全国的に拡がりを見せているが、九州地方においては診療可能な施設が限定的である。そこで、2024年6月に北九州市初の「赤ちゃんの頭のかたち外来」を開設した。開設して1年が経過し、約100名の患児が来院した。そのうち頭蓋骨縫合早期癒合症は3例で、そのうち1例に対して内視鏡的支援下縫合切除術+ヘルメット治療を施行した。従来の頭蓋骨縫合早期癒合症の手術は侵襲が高いが、本治療では輸血をすることなく手術を終了することができた。しかし、生後6ヶ月までに介入が必要であるため、早期診断が極めて重要である。そのためには、小児科の先生方をはじめとした地域の医療関係者の協力が不可欠である。九州地方における「赤ちゃんの頭のかたち外来」の開設は、地域医療の均てん化および早期診断・早期治療の向上に寄与する可能性がある。また、頭蓋骨縫合早期癒合症に対しては当院の形成外科や歯科口腔外科との連携に加え、近隣施設と戦略的集約化を図ることで、地域全体で質の高い専門的医療を提供できる体制を構築していきたいと考えている。今後は九州初のcranio-facial centerの設立を目指すとともに、地域の医療関係者の協力を得て、北九州市のみならず九州全体の医療に貢献していきたい。

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【産業医科大学小児科セミナー】

日 時 : 令和7年6月26日(木)18:00~
場 所 : 産業医科大学2号館 2階 2208教室
担 当 : 内分泌・代謝グループ
演 者 : 大濱尚、池上朋未、桑村真美、齋藤玲子
テーマ: 小児における電解質異常とけいれん:基本から学ぶメカニズムと対応
要 旨 : 小児のけいれん発作は、発熱やてんかんに限らず、電解質異常や血糖異常が原因となることもあり、背景を的確に見極める力が求められます。なかでも、低ナトリウム血症、低カルシウム血症、低血糖は、中枢神経症状を呈する頻度が高く、早期の発見と迅速な対応が不可欠です。今回、これらの異常における生理学的背景と、けいれんを引き起こすメカニズムを解説し、臨床現場で遭遇する実症例をもとに、どのような場面で異常を疑い、どの検査を優先すべきかを整理します。あわせて、電解質補正における基本的な考え方や注意点についても紹介し、日々の診療に役立つ視点を共有できればと考えています。

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【産業医科大学小児科クリニカルカンファレンス】

日 時 : 令和7年6月16日(月)18:00~
場 所 : 産業医科大学2号館 2階 2208教室
担 当 : 新生児グループ
演 者 : 徳永希望、村川沙織、高橋光、眞鍋舜彦、田中健太郎、菅秀太郎
テーマ: 稀な疾患だが危急疾患である小腸捻転症はどうすれば早く気付ける?~診断へのアプローチ~
要 旨 : 腸回転異常症を伴わない小腸捻転は非常に稀で、非特異的な症状を認めることから診断が困難である。急速に腸管虚血に進展することがあり、腸管の壊死や穿孔への進行を防ぐためには早期診断が重要である。胎動減少、胎児機能不全所見のため緊急帝王切開で出生し、出生同日の胆汁性嘔吐などから緊急性を考慮し、小児外科と連携し迅速に治療介入できた一例を経験した。本症例を含め、過去に報告されている小腸捻転症の症例の身体所見および検査所見から、小腸捻転の早期診断のポイントを比較検討した。

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