6月セミナーのお知らせ

日 時:平成27年6月4日(木)18時~

場 所:産業医科大学図書館 2階 2201教室

担 当:産業医科大学小児科 内分泌グループ

演者:江口真美、後藤元秀、山本幸代

 

テーマ:小児・思春期2型糖尿病:最新の治療

 

要 旨:

2型糖尿病薬の進歩はめざましく、新規治療薬が多く導入されています。積極的に糖を尿中に排泄させるという新しい概念の経口血糖降下薬であるSGLT2阻害薬は減量効果と血糖低下効果が報告されていいます。GLP-1受容体作動薬も膵外作用として体重減少効果も明らかとなっています。

小児期発症2型糖尿病は世界的に増加しており、1型に比べ比較的軽症と思われがちです。しかし小児期からのコントロール悪化が長引けば、合併症のリスクが急増するため、生活習慣改善や薬物治療による血糖コントロールが重要です。また思春期に発症する場合が多く、内科へのトランジッションをふまえた長期的治療計画に基づく診療が必要です。

今回のセミナーでは最近の2型糖尿病治療の現状、最新の治療を紹介し、内科専門医との連携の下、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬の導入を行った思春期2型糖尿病の症例を紹介します。新規薬剤の臨床的有用性を考察したいと思います。

5月クリニカルカンファレンスのご案内

日 時:平成27年5月11日(月)19:00~

場 所:産業医科大学図書館3階 2208教室

Moderator:金城 唯宗

Speaker :市川 俊、清水 大輔

テーマ  :低血糖脳症を契機に診断された中鎖アシルCoA脱水素酵素(MCAD)欠損症の一例

 

 

要 旨:

今回、低血糖脳症を発症し精査の結果、MCAD欠損症と診断された症例を提示します。新生児の低血糖は、感染症、先天性心疾患、先天代謝異常症など重篤な疾患の契機となります。一見、正常と思われる新生児において低血糖を疑い、適切に血糖測定を行うことは重要です。今回は、血糖管理や捕捉に対する提言を紹介し、特に新生児の低血糖脳症について概説させていただきます。

5月セミナーのお知らせ

日 時:平成27年5月7日(木)18:00~

場 所:産業医科大学図書館3階 2301教室

担 当:神経グループ:下野昌幸、千手絢子、石井雅宏

テーマ:積極的治療が可能になった疾患:結節性硬化症の最近の知見

 

要 旨:

結節性硬化症は9番、16番上にあるTS遺伝子異常から細胞増殖因子抑制作用をもつm-TORの機能異常から起こる。各年代で様々な臓器に異常をきたす可能性があり、最重度心身障害児から通常の社会生活を送る人まで様々な程度の疾患重症度スペクトラムを持つ。社会生活を送る上での大きな問題は、合併するてんかん、自閉症、知能低下の程度と相関する。2013年欧州でm-TOR阻害薬のエベロリムスが患者に使用されるようになり、本邦でも2014年から結節性硬化症に合併する上衣下巨細胞性星細胞腫、腎血管筋脂肪腫、にも適応となった。この様な症例にエベロリムスを使用したところ、てんかん発作の減少、自閉症症状の改善も認められ、結節性硬化症の根治にも期待できる薬剤として注目されている。今回は症例を交えて結節性硬化症という疾患について検討したい。