3月セミナーのお知らせ

【産業医科大学小児科セミナー】

日 時: 令和2年3月5日(木)19時~

場 所: 産業医科大学2号館 2 2208教室

演 者: 地域医療機能推進機構 九州病院 循環器小児科部長 宗内 淳 先生 

テーマ「先天性心疾患と在宅呼吸管理の役割と展望」

要 旨:先天性心疾患生存率の向上により社会生活へ参加してゆく子供たち増える一方で、心不全状態で日常生 活を過ごすことを余儀なくされる場合も増加している。呼吸と循環は表裏一体の関係であるが故、心不 全治療薬を内服するのと同様に循環管理の一環としての呼吸療法も重要である。先天性心疾患における 在宅呼吸療法は気道の構造異常や重度中枢神経後遺障がいによる慢性呼吸障害のみならず、肺循環改善 による心拍出量増加を意図した側面がある。肺血管は安静時心拍出量の約5倍程の許容量を持つ高コン プライアンス循環として特徴づけられるが、低酸素状態では肺血管内皮細胞におけるNO-cGMP-PKG経 路およびPGI2-cAMP-PKA経路シグナル抑制やPAF-IP3シングナル亢進に加え、Kチャネル開口や細胞内 Ca上昇が血管収縮を誘導したり、HIF-1亢進によるVEGF産生亢進による血管新生などにより肺血管コ ンプライアンスが低下する。従来の経鼻カニュラによる酸素投与のみならず、現在汎用される高流量鼻 カニュラ酸素療法や経鼻的持続陽圧呼吸療法を在宅呼吸療法として導入することも有効であり、睡眠中 の上気道の問題や中枢性無呼吸などに奏功し循環改善を図る。また呼吸運動自体が循環に影響を及ぼす という観点から陽陰圧体外式人工呼吸器の有効例も経験され在宅呼吸療法としての導入に期待される。

 

2月セミナーのお知らせ

【産業医科大学小児科セミナー】

 

日 時 : 令和2年2月27日(木)1800

場 所 : 産業医科大学2号館 2 2208教室

担 当 : 産業医科大学病院総合周産期母子医療センター

演 者 : 田中健太郎、清水大輔、市川俊、荒木俊介

テーマ: 「新生児慢性肺疾患を再考する」

 

要 旨: 新生児慢性肺疾患(Chronic Lung disease: CLD)は早産児を対象とした新生児医療において最も頻度の高く、かつ重要な合併症である。CLDは成長後の呼吸機能のみならず認知機能にも深く関与することが明らかとなっており、CLDを予防するための様々な治療や管理法が試みられてきた。一方で、CLDの定義自体には曖昧な点も多く、近年のCPAPHigh flow nasal cannulaなどの新しい呼吸補助機器の進歩なども加わり、CLDの定義・分類と臨床症状及び長期予後との不整合を感じることも少なくない。今回のセミナーでは国内外で盛んに議論されているCLDの定義とその問題点、CLDの予防及び治療法、将来への影響について、現在明らかとなっていることについて共有したい。