2月セミナーのお知らせ

日 時:平成28年2月4日(木)18:00~
場 所:産業医科大学2号館 2階 2201教室
担 当:産業医科大学小児科学 新生児グループ
演 者:金城 唯宗

テーマ:Transient abnormal myelopoiesis (TAM)の疫学、病態、治療に関する最新知見
要旨:Transient abnormal myelopoiesis(TAM, 一過性異常骨髄増殖症)はダウン症の新生児の
約10%に発症する一過性の類白血病反応であり、4年以内にその20~30%が急性巨核球性
白血病に進展する。発症の分子機構としてX染色体上のGATA1の遺伝子変異が明らかと
なっているが、詳細な仕組みは解明されていない。TAMは自然寛解例が多いが、一部は
致死的な肝線維症を発症する。治療として、近年では化学療法の有効性が報告されて
いるが、充分とは言えない状況である。今回、TAMの疫学や病態を概説し、治療に関し
て自験データも交えて検討する。

第52回 北九州小児血液・腫瘍懇話会のお知らせ

日 時:平成28年2月12日(金)19:00~

場 所:リーガロイヤルホテル小倉4F 「エメラルド」

プログラム:

① 一般演題

「乳児白血病化学療法後のカテーテル関連血流感染対策について」

演者:北九州市立八幡病院小児救急センター 松石 登志哉 先生

② 特別講演

「進行神経芽腫の治療戦略」

講師:国立成育医療研究センター 小児がんセンター長 松本 公一 先生

 

特別講演講師のご紹介:

今回特別講演をしていただきます松本公一先生は「小児がん拠点病院」の一つである国立成育医療研究センターにご勤務され、患者様の診療のみならず、「小児がん中央機関」のセンター長として日本の小児血液腫瘍の分野を牽引しておられる先生です。

今回は、「進行神経芽腫の治療戦略」というテーマで神経芽腫についてのご講演を賜ります。神経芽腫は白血病、脳腫瘍に次いで頻度の多い小児がんのひとつです。年間の発症率は日本全国で約300人程度とまれな疾患ではありますが、小児がん専門医でなくとも知っておかなければならない重要な疾患のひとつです。

専門の先生でなくても分かりやすいご講演になると思いますので、皆様のご参加を心よりお待ちし申し上げております。

1月セミナーのお知らせ

日 時: 平成28年1月21日(木)19時~

場 所: 産業医科大学図書館 2階 2201教室

演 者: 産業医科大学医学部微生物学 教授 齋藤光正 先生

 

テーマ: レンサ球菌感染症 
-その多彩な病態と疫学、発症機序、治療に関する最新知見-

要 旨:

A群レンサ球菌 (Streptococcus pyogenes)感染症は、急性感染症と続発症の2つの疾患概念に大別することができる。急性感染症は、咽頭扁桃炎、皮膚化膿症から劇症型A群レンサ球菌感染症(STSS)まで様々な病態を取り得る。このうちSTSSは、突然発症したのち急速に全身に菌が播種して四肢の壊死、ショック、多臓器不全へと進行し、約30%が死亡する極めて致死率の高い感染症である。2015年は国内患者数が過去最多となり、マスコミ各社が「人食いバクテリア」とセンセーショナルに報道して脅威が広がっている。一体なぜ劇症化するのか、その発症メカニズムは十分に解明されていない。一方、免疫学的機序を介して発症する続発症として、急性糸球体腎炎、リウマチ熱がある。一菌種でこれほど多彩な病態を引き起こす菌はあまり類を見ない。このカンファレンスでは、A群レンサ球菌感染症の疫学、発症機序、治療についての最新知見を、オリジナルの調査データ、動物実験データも交えて概説する。

1月クリニカルカンファレンスのお知らせ

日 時:平成28年1月18日(月)19:00~
場 所:産業医科大学2号館 2階 2201教室
担 当:産業医科大学小児科学 膠原病・凝固グループ
演 者:押田康一、白山理恵、佐藤哲司

テーマ:小児の血栓症

要 旨 :小児期に血栓症を発症することは珍しく日常診療の中で遭遇することはまれである。その理由として、
小児の止血生理の特異性、血管障害の蓄積が少ないこと、さらに血栓症の危険因子に暴露されていないことに
よると理解されている。しかし,プロテインC,プロテインS異常症のホモ接合体などのように新生児期から重篤な
血栓症を来す先天性血栓性疾患も存在する。また、小児期に発症する後天性の血栓性疾患は診断技術の向上
とともに増加傾向にある。小児の血栓塞栓症は不明のことも多く、今回は、PC欠損症の児と、劇症型抗リン脂質
抗体症候群の2症例をピックアップして診断と管理に関して振り返ってみたい。また、血栓症の管理については
最近のトピックスであるXa阻害薬についても紹介する。