【産業医科大学小児科セミナー】
日 時 : 令和4年7月28日(木)18:00~
場 所 : 産業医科大学2号館 2階 2208教室
担 当 : 血液腫瘍グループ
演 者 : 樋口尚子、守田弘美、中島健太郎、本田裕子
テーマ: 小児科医が知っておくべき、ダウン症に合併した血液疾患の管理
~ダウン症の赤ちゃんがうまれたら…~
要 旨 : Down症は最も頻度が高い染色体異常のひとつで、先天性心疾患、消化器疾患、てんかんなど様々な疾患を合併します。その中でも、白血病を発症するリスクが高く、健常児の約10~20倍といわれています。新生児期には、ダウン症の約10%に「一過性骨髄異常増殖症(TAM)」がみられます。通常TAMは自然寛解しますが、まれに致死的になることがあります。また自然寛解した後も、約20%が4歳までに急性骨髄性白血病(ML-DS)を発症します。このTAMからML-DSに進行する過程は、白血病の多段階発症のモデルとして研究がすすんでいます。今回のセミナーでは、当院で経験したTAM症例とML-DS症例を提示し、TAMとML-DSの治療の現状と課題について言及したいと思います。
Down症は小児科医にとって身近な存在であり、小児血液腫瘍科医、新生児科医のみならず、多くの施設の若手の先生方にもご参加いただければと思っています。