1月のセミナーのお知らせ

【産業医科大学小児科セミナー】

 

日時:令和4年1月20日(木)18:00~

場所:産業医科大学2号館2階2208教室

講師:大分大学医学部小児科学講座 教授 井原 健二 先生

テーマ:新生児の飢餓に関わる最近の知見:タンデムマスからオートファジーまで

 

要旨:哺乳類の胎児は胎盤・臍帯からの血流を介して安定的な酸素と栄養の供給を受けるが,出生後には劇的な変化が起こる.臍帯と胎盤から切り離された瞬間から新生児は母親からの栄養が途絶え,哺乳により母乳が安定的に供給されるまで絶食期間が生じる.今回の講演では,新生児期の飢餓に焦点を当て我々が経験した臨床的な話題と基礎研究の成果を紹介する.最初に,新生児マススクリーニングに関わる周産期医療の現場で問題になることがある,新生児期早期の栄養不足(飢餓状態)に起因したタンデムマス疑陽性の問題を提示し,潜在する社会背景を考案する.次に,新生児期の飢餓状態の肝ミトコンドリア代償機構を中心に,肝特異的オートファジーノックアウト新生仔マウスを用いたメタボローム解析研究を紹介する.

1月のクリニカルカンファレンスのお知らせ

【産業医科大学小児科クリニカルカンファレンス】

 

日時:令和4年1月17日(月)19:00~

場所:産業医科大学2号館2階2208教室

担当:血液凝固・膠原病グループ

演者:伊藤琢磨

テーマ:こどものリウマチ〜関節型若年性特発性関節炎〜

 

要旨:若年性特発性関節炎(JIA)は16歳未満に発症し、少なくとも6週以上持続する原因不明の慢性関節炎である。症状や病態、治療から全身型と関節型に大別され、本邦では発熱や皮疹などの全身症状を伴う全身型が多いとされる。しかし、関節型JIAは本当に少ないのだろうか。痛みを周囲に伝えられなかったり、怠けていると思われて診断が遅れた症例を経験している。また、関節所見が見逃されていたり、「リウマトイド因子が陰性だからJIAではない」と誤った判断がなされていた症例もあった。今回のクリニカルカンファレンスでは、いくつかの症例を共有し、関節型JIAの特徴や成人関節リウマチとの違いを検討することに加えて、演者が専門研修で習得した関節診察手技を紹介する。明日の診療から使える関節診察が早期診断につながることを願う。