12月クリニカルカンファレンスのお知らせ

日 時  : 平成 29年 12月 11日(月)19時~
場 所  : 産業医科大学2号館 2階 2208教室
担 当  : 神経グループ
演 者  : 五十嵐亮太、福田智文、下野昌幸

テーマ: Myelin oligodendrocyte glycoprotein(MOG)
陽性視神経罹患後に末梢神経障害を起こした1男児例

要 旨: 症例は14歳男児。10歳時に抗MOG抗体陽性の視神経炎を発症し、ステロイドパ
ルス療法・血漿交換を施行され改善した。半年間でステロイド投与は漸減終了し、再発は
なく、抗MOG抗体価は陰性となっていた。X年Y月下旬頃(詳細不明)から徐々に走るのが
遅くなり、床から立ち上がるのに手の支えが必要となった。先行感染は認めなかった。症
状の改善なく持続するため、Y+1月12日に当科外来を受診した。受診時の診察では大腿
屈筋群および腸腰筋のMMTが4/4であり、歩行は可能だが座位から立位になるのに介助
が必要だった。両下肢の深部腱反射の減弱を認めた。右上下肢に手袋靴下型の軽度の
感覚障害を認めた。EBV、CMV、マイコプラズマ感染は抗体価から否定された。髄液検査
で蛋白細胞解離を認め、頭部~脊髄MRI検査では馬尾神経に増強効果を認めた。抗糖
脂質抗体と抗MOG抗体価は提出中である。
急性多発性末梢神経疾患として最も多く経験する疾患の一つはGuillain-Barré症候群で
あるが、先行感染の違いからAIDP、AMAN、AMSANの疾患概念に分けられる。各病態と
電気生理学的特徴を解説し、また多発性末梢神経障害を起こす原因や鑑別を再考する。

11月セミナーのお知らせ

日 時: 平成29年11月30日(木)18:00~
場 所: 産業医科大学図書館2階 2208教室
担 当: 新生児グループ
演 者: 荒木俊介
テーマ:NICUにおけるfamily-centered careと新生児の痛みのケア
要 旨: 新生児医療では後遺症なき生存を目指し,呼吸や循環管理などの集中治療の質を高めることが重要視されてきた。しかし、近年では入院中の親子分離から生じる愛着形成不全や退院後の育児における困難感を軽減することを目的として、家族をケアチームの一員とするfamily-centered careが各施設で取り入れられている。今回のセミナーではNICUにおけるfamily-centered careの概念と2014年に発表された“NICUに入院している新生児の痛みのケアのガイドライン”及び当院NICUで行っている育児支援の取り組みについて紹介する。