7月クリニカルカンファレンスのお知らせ

【産業医科大学小児科クリニカルカンファレンス】

 

日 時 : 令和3年7月12日(月)19:00

場 所 : 産業医科大学2号館 2 2208教室

担 当 : 感染・免疫グループ

演 者 : 保科 隆之、多久 佳祐、緒方 愛実

テーマ: 忘れがちだけど意外に発⽣が多い寄⽣⾍症 肺吸⾍症症例を経験して寄生虫感染症

要 旨 : 寄生虫症は不衛生な環境において発症する頻度が高いと考えがちであるが、衛生環境の良い日本においても、まだまだ忘れてはいけない感染症の一つである。実際、アニサキスによる集団食中毒の発生件数は、毎年、国内の集団食中毒発生件数の上位であり、保育園などでの疥癬の集団発生も少なくない。さらに、重篤な感染症を引き起こすものの、鑑別上位に挙がらないため、診断に難渋することもある。

 今回のカンファレンスでは、原因不明の両側膿胸の精査加療目的に入院し、肺吸虫症と診断された症例を経験したことをきっかけとして、寄生虫症の現況、診断のポイントなどを概説する。

 

7月セミナーのお知らせ

【産業医科大学小児科セミナー】

 

日 時 : 令和378日(木)1800

場 所 : 産業医科大学2号館 2 2208教室

担 当 : 血液グループ

演 者 : 浅井完、中島健太郎、守田弘美、本田裕子

テーマ: 「当科における妊孕性温存の試み」 ここまで進んだ生殖医療!

要 旨 : 近年、悪性腫瘍に対する治療成績は向上し、がん経験者が増えつつあります。しかしその一方、抗がん剤や放射線治療により妊孕能を喪失する若者が存在することが問題となっています。そのため、厚生労働省は「小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業」を新たに開始し、妊孕性温存療法の研究を促進しています。その対象者にはがん患者のみならず、再生不良性貧血や膠原病の患者も含まれます。しかし実際の臨床現場では、その適応や実施にあたるまでに様々な障壁が存在します。このセミナーでは、当科で妊孕性温存を試みた症例を提示し、問題点や課題、今後の展望について概説します。

 妊孕性温存は小児がん治療医のみならず、今後小児科医にとって必須の知識になります。現状と問題点について皆さんと知識を共有し、議論できればと思います。

 

6月セミナーのお知らせ

【産業医科大学小児科セミナー】

日 時 : 令和3年6月24日(木)1800

場 所 : 産業医科大学2号館 2 2208教室

担 当 : 内分泌・代謝グループ

演 者 : 島本太郎、多久 葵、齋藤玲子

テーマ: これだけはおさえておきたい!糖代謝異常

     ~1型糖尿病について、低血糖の鑑別について~

要 旨 : 1921年にカナダ人の研究者チームによりインスリンが発見され、1型糖尿病の予後は劇的に改善した。1型糖尿病に対する治療は現在もインスリン療法のみであるが、新たなインスリン製剤の開発に伴い、以前のインスリン固定打ちから、カーボカウントを用いたインスリン療法が主流となり、また近年様々なデバイスも登場し、治療がより複雑化している。

インスリン発見100周年であるこの機会に、ガイドラインに基づいた初発時の糖尿病性ケトアシドーシスの対応、その後の1型糖尿病の治療や管理について、おさえておくべき最新の情報を解説する。また、あわせて糖代謝異常として特に外来で遭遇する機会の多い低血糖の鑑別についても本セミナーで簡単に概説をする。