【産業医科大学小児科クリニカルカンファレンス】
日 時 : 令和4年7月11日(月)19:00~
場 所 : 産業医科大学2号館 2階 2208教室
担 当 : 感染・免疫グループ
演 者 : 保科 隆之、米田 哲、永汐 孟、大内田 史織
テーマ:患者数が増加している梅毒に対して小児科医が対応すべきこと -梅毒母体から出生した児への診療を経験して-
要 旨 : コロナ禍でインフルエンザをはじめとする多くの感染症の疫学は変化し、その多くは患者数が減少している。そのような中で、患者数が増加している数少ない患者数把握対象疾患の一つが梅毒である。梅毒は性感染症の一つであり、ほとんどの患者が成人である。しかし、妊婦が感染すると胎児にも影響が生じる。梅毒に感染した胎児が胎内死亡せず出生した場合、出生時からだけでなく出生後に梅毒の症状が出現することがある。死亡することや後遺症を残すこともあるため、母親のスクリーニングと梅毒母体から出生した児の梅毒感染の有無を早期に確認することが重要となる。
当科では最近3か月の間に、妊娠中に梅毒に感染したことが確認された母親から出生した児を2例経験した。本カンファレンスでは、この2症例への診療内容を提示するとともに、近年増加傾向である梅毒の小児への影響および先天梅毒が疑われた症例への対応について概説する。