2月のクリニカルカンファレンスのお知らせ

【産業医科大学小児科クリニカルカンファレンス】

 

日 時 : 令和5年2月13日(月)19:00~

場 所 : 産業医科大学2号館 2階 2208教室

担 当 : 腎グループ

演 者 : 平川 潤、斉宮 真理

テーマ: Alport症候群

要 旨 : Alport症候群はⅣ型コラーゲンの遺伝子変異に起因する進行性の慢性腎症であり、多くがX染色体連鎖型の遺伝形式をとる。病初期は血尿が唯一の所見であり、進行とともに蛋白尿、腎機能低下を呈する。特に男性では40歳までに90%が腎不全となる腎予後不良な疾患であり、難聴や眼合併症なども特徴の一つである。今回は濃厚な血尿の家族歴がありながら、病理学的診断と遺伝学的診断に乖離を認めたAlport症候群の一例を提示し、現在の治療や今後の新規治療薬についても紹介する。

 

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産業医科大学小児科学教室

〒807-8555 福岡県北九州市八幡西区医生ヶ丘1-1

Tel:093-691-7254 Fax:093-691-9338

e-mail:j-syoni@mbox.med.uoeh-u.ac.jp

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2月のセミナーのお知らせ

【産業医科大学小児科セミナー】

 

日 時 : 令和5年2月9日(木)

場 所 : 産業医科大学2号館 2階 2208教室

担 当 : 新生児グループ

演 者 : 清水大輔、菅秀太郎、田中健太郎、渡邉俊介

テーマ: コロナ禍によりNICUでの治療・ケア環境の変化が児の発達に与えた影響

要 旨 : 出生後早期に患児が家族から分離される新生児集中治療室では、家族中心のケア、患者を家族の一員としてとらえて行うケアであるFamily-Centered Care (FCC)が海外で提唱され、母子関係の確立の援助のみならず新生児予後にも寄与していることが報告され、日本でも注目されている。当院NICUにおいても、2016年からFCCの概念に基づき、母児間の早期接触 ・ Kangaroo mother care (KMC) などを積極的に勧めていた。KMCの実践は低出生体重児の入院期間を短縮し、体重増加を促進し、母乳分泌率を高め、母親の鬱を軽減することが報告されている。しかし、SARS-CoV-2流行により多くの国で面会制限が行われ、FCCの実践が困難な状況となった。当院NICUでもCOVID-19流行後は面会制限を実施している。今回のセミナーではCOVID-19によるFCC制限が早産児(在胎33週未満 or 1500g未満)の発達に与えた影響を中心に、コロナ禍での新生児管理について考えたい。

 

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産業医科大学小児科学教室

〒807-8555 福岡県北九州市八幡西区医生ヶ丘1-1

Tel:093-691-7254 Fax:093-691-9338

e-mail:j-syoni@mbox.med.uoeh-u.ac.jp

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1月のセミナーのお知らせ

【産業医科大学小児科セミナー】

 

日 時 : 令和 5年 1月 19日(木) 18:00~

場 所 : 産業医科大学2号館 2階 2208教室

講 師 : 佐賀大学医学部小児科教授 松尾 宗明 先生

演 題 :  もやもや病の病態解析

要  旨  :  もやもや病は病理学的には内頚動脈終末部を中心とする動脈の内膜肥厚による進行性の内腔狭窄を呈する。疾患感受性遺伝子としてRNF213が同定されたが、その機能については不明な点が多く、もやもや病の病態へどのように関与しているかについては明らかではない。私たちは患者血管での病理学的検討をもとに血管内皮細胞と細胞外マトリックス、血流せん断応力に着目して仮説を立て、患者由来iPS細胞を用いた病態解析を行ってきた。本講演では、もやもや病の病態解析についてのこれまでの研究の流れを含めて、私たちの研究成果について紹介したい。

 

1月のクリニカルカンファレンスのお知らせ

【産業医科大学小児科クリニカルカンファレンス】

日 時 : 令和5年1月16日(月)19:00~

場 所 : 産業医科大学2号館 2階 2208教室

担 当 : 血液凝固・膠原病グループ

演 者 : 白山 理恵

テーマ: 女性・女児の血友病とvon Willebrand病 「過多月経を我慢していませんか?」

要 旨 : 1984年、当院に血友病センターができてから約40年が経過した。男性血友病患者の治療が年々発展してきた一方で、血友病保因者の女性たちの出血に対する診断・治療やvon Willebrand病の診断・治療は数十年前から変化がない取り残された課題であった。特に女性特有の出血である過多月経については、海外と比較しても自覚のなさ、低用量ピルの普及率の低さなどから治療につながってこなかった。この課題に対して2018年に国際血栓止血学会から凝固因子活性の低い保因者女性は「女性血友病」として医療ケアの対象になることが提言され、日本でも女性血友病の報告数が増加している。また、2021年には日本国内で初のvon Willebrand病のガイドラインが発表され、女性の過多月経に対する項目も記載されている。当科でも最近、過多月経を我慢していた女児・女性の治療介入例が増えてきている。最近経験した過多月経を呈する凝固異常症(女性血友病、血友病保因者、von Willebrand病)の症例を通して過多月経のスクリーニング、診断、凝固異常症の場合の治療について紹介する。