1月セミナーのお知らせ

日 時: 平成28年1月21日(木)19時~

場 所: 産業医科大学図書館 2階 2201教室

演 者: 産業医科大学医学部微生物学 教授 齋藤光正 先生

 

テーマ: レンサ球菌感染症 
-その多彩な病態と疫学、発症機序、治療に関する最新知見-

要 旨:

A群レンサ球菌 (Streptococcus pyogenes)感染症は、急性感染症と続発症の2つの疾患概念に大別することができる。急性感染症は、咽頭扁桃炎、皮膚化膿症から劇症型A群レンサ球菌感染症(STSS)まで様々な病態を取り得る。このうちSTSSは、突然発症したのち急速に全身に菌が播種して四肢の壊死、ショック、多臓器不全へと進行し、約30%が死亡する極めて致死率の高い感染症である。2015年は国内患者数が過去最多となり、マスコミ各社が「人食いバクテリア」とセンセーショナルに報道して脅威が広がっている。一体なぜ劇症化するのか、その発症メカニズムは十分に解明されていない。一方、免疫学的機序を介して発症する続発症として、急性糸球体腎炎、リウマチ熱がある。一菌種でこれほど多彩な病態を引き起こす菌はあまり類を見ない。このカンファレンスでは、A群レンサ球菌感染症の疫学、発症機序、治療についての最新知見を、オリジナルの調査データ、動物実験データも交えて概説する。

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