6月クリニカルカンファレンスのお知らせ

日 時 : 令和4年6月20日(月)19:00~

場 所 : 産業医科大学2号館 2階 2208教室

担 当 : 新生児グループ

演 者 : 清水 大輔、菅 秀太郎、田中 健太郎、渡邉 俊介

テーマ: 多彩な症状を持つ新生児のサイトメガロウイルス感染症

~診断に難渋した 2 症例の経験~

 

要 旨 : サイトメガロウイルス(CMV)は子宮内感染や周産期感染(産道感染・母乳感染など)をきたす重要な病原微生物である。子宮内感染による先天性 CMV 感染症は聴力障害・視力障害・発達障害などをきたし、生後 3 週間以内の尿・唾液・気道分泌物・血液・髄液のいずれかからウイルスが分離されれば診断され、抗ウイルス療法による早期介入で聴覚予後を改善させることが報告されている。一方、周産期感染した正期産児は通常症候化することはないが、早産児(特に 32 週未満、1500g 未満)は症候性の臓器障害(肺臓炎、肝炎、血小板減少など)を引き起こし、母親からの抗体移行が不十分であるため重篤な症状を呈することも多い。しかし、周産期感染をきたした早産児に対する抗ウイルス療法の効果についてはまだ検討されていない。今回のセミナーでは、新生児期の CMV 感染症について、我々が経験した肺高血圧を合併した先天性 CMV 感染症の早産児と周産期感染(産道感染)による CMV腸炎を認めた早産児の 2 症例を中心に紹介したい。

 

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