7月のクリニカルカンファレンスのお知らせ

【産業医科大学小児科クリニカルカンファレンス】

日 時 : 令和7年7月14日(月)18:00~
場 所 : 産業医科大学2号館 2階 2208教室
演 者 : 産業医科大学 脳神経外科 助教 長坂 昌平 先生
テーマ: 北九州市における位置的頭蓋変形と頭蓋骨縫合早期癒合症の治療
~頭のかたち外来開設から現在までの取り組み~
要 旨 : 「赤ちゃんの頭のかたち外来」は全国的に拡がりを見せているが、九州地方においては診療可能な施設が限定的である。そこで、2024年6月に北九州市初の「赤ちゃんの頭のかたち外来」を開設した。開設して1年が経過し、約100名の患児が来院した。そのうち頭蓋骨縫合早期癒合症は3例で、そのうち1例に対して内視鏡的支援下縫合切除術+ヘルメット治療を施行した。従来の頭蓋骨縫合早期癒合症の手術は侵襲が高いが、本治療では輸血をすることなく手術を終了することができた。しかし、生後6ヶ月までに介入が必要であるため、早期診断が極めて重要である。そのためには、小児科の先生方をはじめとした地域の医療関係者の協力が不可欠である。九州地方における「赤ちゃんの頭のかたち外来」の開設は、地域医療の均てん化および早期診断・早期治療の向上に寄与する可能性がある。また、頭蓋骨縫合早期癒合症に対しては当院の形成外科や歯科口腔外科との連携に加え、近隣施設と戦略的集約化を図ることで、地域全体で質の高い専門的医療を提供できる体制を構築していきたいと考えている。今後は九州初のcranio-facial centerの設立を目指すとともに、地域の医療関係者の協力を得て、北九州市のみならず九州全体の医療に貢献していきたい。

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産業医科大学小児科学講座
〒807-8555 福岡県北九州市八幡西区医生ヶ丘1-1
Tel:093-691-7254 Fax:093-691-9338
e-mail:j-syoni@mbox.med.uoeh-u.ac.jp
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6月セミナーのお知らせ

【産業医科大学小児科セミナー】

日 時 : 令和7年6月26日(木)18:00~
場 所 : 産業医科大学2号館 2階 2208教室
担 当 : 内分泌・代謝グループ
演 者 : 大濱尚、池上朋未、桑村真美、齋藤玲子
テーマ: 小児における電解質異常とけいれん:基本から学ぶメカニズムと対応
要 旨 : 小児のけいれん発作は、発熱やてんかんに限らず、電解質異常や血糖異常が原因となることもあり、背景を的確に見極める力が求められます。なかでも、低ナトリウム血症、低カルシウム血症、低血糖は、中枢神経症状を呈する頻度が高く、早期の発見と迅速な対応が不可欠です。今回、これらの異常における生理学的背景と、けいれんを引き起こすメカニズムを解説し、臨床現場で遭遇する実症例をもとに、どのような場面で異常を疑い、どの検査を優先すべきかを整理します。あわせて、電解質補正における基本的な考え方や注意点についても紹介し、日々の診療に役立つ視点を共有できればと考えています。

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6月クリニカルカンファレンスのお知らせ

【産業医科大学小児科クリニカルカンファレンス】

日 時 : 令和7年6月16日(月)18:00~
場 所 : 産業医科大学2号館 2階 2208教室
担 当 : 新生児グループ
演 者 : 徳永希望、村川沙織、高橋光、眞鍋舜彦、田中健太郎、菅秀太郎
テーマ: 稀な疾患だが危急疾患である小腸捻転症はどうすれば早く気付ける?~診断へのアプローチ~
要 旨 : 腸回転異常症を伴わない小腸捻転は非常に稀で、非特異的な症状を認めることから診断が困難である。急速に腸管虚血に進展することがあり、腸管の壊死や穿孔への進行を防ぐためには早期診断が重要である。胎動減少、胎児機能不全所見のため緊急帝王切開で出生し、出生同日の胆汁性嘔吐などから緊急性を考慮し、小児外科と連携し迅速に治療介入できた一例を経験した。本症例を含め、過去に報告されている小腸捻転症の症例の身体所見および検査所見から、小腸捻転の早期診断のポイントを比較検討した。

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