日時:2015914日(月) 1900

場所:産業医科大学大学2号館2201教室

 

テーマ:治療に難渋した感染症症例を通じて疾患のピットフォールを考える

 

症例提示

1. 気胸を合併したMRSA敗血症性肺塞栓症の1

 JCHO九州病院小児科 芳野 三和 先生

 

2. 胸腔鏡下手術VATSを選択したhMPV下気道感染後膿胸の1歳男児例

 北九州市立八幡病院小児救急センター 松永 遼 先生

 

3. 初期投与量(1mg/kg/day)から増量を要したマイコプラズマ肺炎ステロイド投与症例

  -ステロイドの至適投与量についての検討-

産業医科大学小児科 川瀬 真弓 先生

 

日 時: 平成27年9月10日(木)18時~

場 所: 産業医科大学図書館 2階 2201教室

担 当: 産業医科大学小児科 感染・免疫グループ

演 者: 波呂 薫、中本 貴人、保科 隆之

テーマ: 小児領域の慢性疾患発症と気道細菌叢との関連

要 旨:

近年、様々な慢性疾患と腸内細菌叢の変化との関連性が報告されている。一方、気道細菌叢の変化と小児領域の慢性疾患発症との関連性についての報告は多くない。

現在、我々は、小児の上・下気道分泌物から核酸を抽出した後に、PCR法によって細菌の保有する16S ribosomal RNA遺伝子を増幅して得られたPCR産物をクローニングし、それぞれの塩基配列から最も相同性の高い基準菌種を検索する手法を用いて、気道細菌叢の網羅的解析を行っている。

本カンファレンスでは、細菌叢(microbiome)と疾病発症との関連性についての最新の知見の概説と当教室で行っている気管支喘息や気管支肺異形成などの慢性疾患発症と気道細菌叢との関連性に関する研究の紹介を行う。

日時:平成27年7月6日(月)19時~

場所:産業医科大学図書館2階2208教室

担 当:感染・免疫グループ:山本 昇、保科 隆之

テーマ:カテーテル関連血流感染症を発症した2例 ‐血液培養2セット採取の重要性とコンタミネーションの解釈‐

 

要 旨:

小児の菌血症の発症率は、PCVおよびHibワクチンの普及により著しく減少した。一方、高次医療施設では、難病および重篤な疾患の治療のために長期間の中心静脈カテーテルが挿入されている症例も少なくない。長期のカテーテル留置は、血流感染症を発症する最大のリスク因子であり、カテーテル関連血流感染症(CRBSI)が疑われた場合は、早期のカテーテル抜去が望ましい。しかし、血管の再確保は必ずしも容易ではなく、CRBSIの適切な診断を行うことが重要である。近年、小児においても血流感染症の診断のために血液培養を2セット採取すべきであるという考え方が浸透しつつある。

我々は、最近、短期間に複数回の中心静脈カテーテル関連血流感染症を発症した症例および末梢カテーテル関連血流感染症を発症した経験し、診断確定に血液培養2セット採取が重要であることを再認識した。小児感染症専門医の中での血液培養採取に関する見解と検出された病原体によっては全身検索が必要である点について概説する。また、検出された病原体によってはコンタミネーションと判断することがあるが、その判断の危険性についても実例を挙げて概説する。

 

日時:平成27年6月22日(月)19時~

場所:産業医科大学図書館2階2208教室

担 当:産業医科大学小児科 血液腫瘍グループ

演者:原田真里、樋口尚子、本田裕子

テーマ:「EBウイルスと悪性腫瘍」

要 旨:

EBウイルス(EBV)はヘルペスウイルス科に属するDNA型ウイルスで、通常、乳幼児期に初感染し、成人に達するまでにほぼ100%が感染し、他のヘルペス属と同様に、生涯にわたり潜伏感染します。初感染は不顕性あるいは軽度の上気道炎ですが、一部は伝染性単核球症(IM)を発症します。また、その他にも上咽頭癌や胃癌などの悪性腫瘍、EBV関連血球貪食リンパ組織球症、慢性活動性EBV感染症、移植後EBV関連リンパ増殖症などにもEBVは関連しています。このようにEBV関連疾患は良性から悪性まで多様であり、感染する細胞の違いや宿主の免疫応答の違いが要因と考えられています。

今回、化学療法中にEBV初感染をきたし、血球貪食症候群を発症したALLの幼児例を経験しました。基本的には予後良好な急性IMと、より重症なEBV感染病態の鑑別・治療について今回は概説したいと思います。

日 時:平成27年6月4日(木)18時~

場 所:産業医科大学図書館 2階 2201教室

担 当:産業医科大学小児科 内分泌グループ

演者:江口真美、後藤元秀、山本幸代

 

テーマ:小児・思春期2型糖尿病:最新の治療

 

要 旨:

2型糖尿病薬の進歩はめざましく、新規治療薬が多く導入されています。積極的に糖を尿中に排泄させるという新しい概念の経口血糖降下薬であるSGLT2阻害薬は減量効果と血糖低下効果が報告されていいます。GLP-1受容体作動薬も膵外作用として体重減少効果も明らかとなっています。

小児期発症2型糖尿病は世界的に増加しており、1型に比べ比較的軽症と思われがちです。しかし小児期からのコントロール悪化が長引けば、合併症のリスクが急増するため、生活習慣改善や薬物治療による血糖コントロールが重要です。また思春期に発症する場合が多く、内科へのトランジッションをふまえた長期的治療計画に基づく診療が必要です。

今回のセミナーでは最近の2型糖尿病治療の現状、最新の治療を紹介し、内科専門医との連携の下、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬の導入を行った思春期2型糖尿病の症例を紹介します。新規薬剤の臨床的有用性を考察したいと思います。

日 時:平成27年5月11日(月)19:00~

場 所:産業医科大学図書館3階 2208教室

Moderator:金城 唯宗

Speaker :市川 俊、清水 大輔

テーマ  :低血糖脳症を契機に診断された中鎖アシルCoA脱水素酵素(MCAD)欠損症の一例

 

 

要 旨:

今回、低血糖脳症を発症し精査の結果、MCAD欠損症と診断された症例を提示します。新生児の低血糖は、感染症、先天性心疾患、先天代謝異常症など重篤な疾患の契機となります。一見、正常と思われる新生児において低血糖を疑い、適切に血糖測定を行うことは重要です。今回は、血糖管理や捕捉に対する提言を紹介し、特に新生児の低血糖脳症について概説させていただきます。

日 時:平成27年5月7日(木)18:00~

場 所:産業医科大学図書館3階 2301教室

担 当:神経グループ:下野昌幸、千手絢子、石井雅宏

テーマ:積極的治療が可能になった疾患:結節性硬化症の最近の知見

 

要 旨:

結節性硬化症は9番、16番上にあるTS遺伝子異常から細胞増殖因子抑制作用をもつm-TORの機能異常から起こる。各年代で様々な臓器に異常をきたす可能性があり、最重度心身障害児から通常の社会生活を送る人まで様々な程度の疾患重症度スペクトラムを持つ。社会生活を送る上での大きな問題は、合併するてんかん、自閉症、知能低下の程度と相関する。2013年欧州でm-TOR阻害薬のエベロリムスが患者に使用されるようになり、本邦でも2014年から結節性硬化症に合併する上衣下巨細胞性星細胞腫、腎血管筋脂肪腫、にも適応となった。この様な症例にエベロリムスを使用したところ、てんかん発作の減少、自閉症症状の改善も認められ、結節性硬化症の根治にも期待できる薬剤として注目されている。今回は症例を交えて結節性硬化症という疾患について検討したい。

日 時:平成27年4月2日(木)18:00~

場 所:産業医科大学図書館3階 2302教室

担 当:感染・免疫 グループ:保科 隆之

テーマ:感染症診断における検査のTPO(適正利用)について考える

要 旨:日常の外来を受診する小児の大多数は、発熱や咳嗽などの感染症症状が主訴であることは言うまでもない。その多くは、原因病原体を特定することができないが、様々な感染症の診断ツールが日常診療でも徐々に用いられるようになり、治療方針決定に役立っている。しかし、その解釈を間違えてしまうと、誤った診断をして、誤った(不要な)治療を行う可能性もある。

今回のセミナーでは、発熱患者に対するA群連鎖球菌抗原迅速検査の使用、気道感染症患者に対する最適な培養検査の選択およびウイルスやマイコプラズマ感染症の診断およびワクチン接種の適応を決めるために行う最適な抗体検査の選択などを例にして、感染症診断における検査の適正利用について考える。

 

日 時:平成27年3月26日(木)19:00~

場 所:産業医科大学図書館2階 2201教室

担 当:地域医療機能推進機構 九州病院  宗内 淳 先生

テーマ:日常の診療に潜む心筋疾患

要 旨:日々の小児科診療において「何か元気がない」「どうも顔色が悪そうだ」と思い、胸写を撮影してゾッとしたことを経験したことはないでしょうか。心筋炎や心筋症は誰しもが経験し得る疾患でありますが、その系統だった知識の獲得をする機会は少ないように思います。今回は私たちが経験してきた症例を中心として病態の理解を深め、心筋疾患に遭遇した際の診断プロセスを考えてゆきたいと思います。

 

日 時:平成27年3月23日(月)19:00~

場 所:産業医科大学図書館2階 2201教室

担 当:産業医科大学小児科学 内分泌グループ

江口真美,齊藤玲子,後藤元秀,久保和泰,川越倫子,河田泰定,山本幸代

テーマ: 思春期の月経異常でみつかる疾患:多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

要 旨: 思春期は性成熟期への移行期であるため、月経異常の頻度も高く、介入する時期の判断に難渋する場合が多いのが現状です。

しかし正常な性成熟や卵巣周期の獲得のため適切に対応することが必要です。

今回は思春期の月経異常を契機に診断したPCOSの症例3例を提示します。

PCOSは、月経異常,多嚢胞性卵巣,男性化徴候を主症状とする症候群で、月経異常の原因として頻度が高く、生殖年齢女性の4-10%程度に認められます。

インスリン抵抗性を示し,耐糖能異常をきたすため、メタボリック症候群関連疾患として,重要ですが、原因は完全に解明されておらず,複数の成因に基づく症候群と理解されています。

日本では、男性化徴候を示さない例が多く、海外でも肥満を認めない例が多数報告されています。

PCOSについて概説し,診療上の問題点などを,議論を行いたいと思います