6月クリニカルカンファレンスのお知らせ

日時:平成27年6月22日(月)19時~

場所:産業医科大学図書館2階2208教室

担 当:産業医科大学小児科 血液腫瘍グループ

演者:原田真里、樋口尚子、本田裕子

テーマ:「EBウイルスと悪性腫瘍」

要 旨:

EBウイルス(EBV)はヘルペスウイルス科に属するDNA型ウイルスで、通常、乳幼児期に初感染し、成人に達するまでにほぼ100%が感染し、他のヘルペス属と同様に、生涯にわたり潜伏感染します。初感染は不顕性あるいは軽度の上気道炎ですが、一部は伝染性単核球症(IM)を発症します。また、その他にも上咽頭癌や胃癌などの悪性腫瘍、EBV関連血球貪食リンパ組織球症、慢性活動性EBV感染症、移植後EBV関連リンパ増殖症などにもEBVは関連しています。このようにEBV関連疾患は良性から悪性まで多様であり、感染する細胞の違いや宿主の免疫応答の違いが要因と考えられています。

今回、化学療法中にEBV初感染をきたし、血球貪食症候群を発症したALLの幼児例を経験しました。基本的には予後良好な急性IMと、より重症なEBV感染病態の鑑別・治療について今回は概説したいと思います。

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