【産業医科大学小児科セミナー】
日 時: 令和6年11月28日(木)18:00~
場 所: 産業医科大学2号館3階 2301教室
演者1:川村 卓
テーマ:The optimal duration of antimicrobial therapy for lower respiratory tract infection in patients with neuromuscular disorders based on a clone library analysis of the bacterial 16S rRNA gene sequence.
(細菌の16S rRNA遺伝子配列に基づくクローンライブラリー法を用いた神経筋疾患患者の下気道感染症に対する抗菌療法の至適期間)
要 旨 :呼吸器感染症の診療において、薬剤耐性菌に有効な抗菌薬の選択や抗菌薬の至適投与期間は、抗菌薬適正使用の観点から重要な課題である。神経筋疾患症例の下気道炎において、従来の培養法では緑膿菌などの耐性菌が検出されることが多く、広域スペクトラムの抗菌薬を長期間投与する傾向にあるが、明確なエビデンスはない。本研究では16S rRNA遺伝子配列に基づく網羅的細菌叢解析法(クローンライブラリー法)により、起炎菌の推定と最適な抗菌薬投与期間の検討を行い、その結果について報告する。また、私は論文提出による学位授与申請を行っており、その経験や流れについても共有する。今後の皆様の参考になれば幸いである。
演者2:水城 和義
テーマ:Association Between Work Attendance When Experiencing Fever or Cold Symptoms and Company Characteristics and Socioeconomic Status in the COVID-19 Pandemic in Japanese Workers: A Cross-Sectional Study
(COVID-19流行下における体調不良時の出勤と企業特性・社会経済状況との関連に関する横断研究)
要 旨 :COVID-19の感染拡大を防ぐため、発熱や感冒症状のある労働者の出勤を抑制することは重要な感染対策である。しかし、COVID-19流行下において、体調不良時に出勤する労働者の割合や、その背景について調査した研究報告はない。本研究は「新型コロナウイルスと労働に関する共同オンライン調査(CORoNaWorkプロジェクト)」の一環として実施した。発熱や感冒症状の経験があると回答した労働者を解析対象として、多重ロジスティック回帰分析を行い、体調不良時に出勤した労働者における、社会経済状況・企業特性について検討した。その結果について報告する。
また、私は環境疫学教室に所属し、産業医・臨床医として働きながら、社会人大学院生として4年間を過ごした。今回、自身の大学院での経験についても少しお話しさせていただきたい。今後、大学院進学を検討している方々の参考になれば幸いである。
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産業医科大学小児科学講座
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