日 時： 平成27年11月12日（木）18時～
場 所： 産業医科大学2号館 2階 2208教室
担 当： 産業医科大学小児科　血液腫瘍グループ
演 者： 樋口尚子、守田弘美、本田裕子

テーマ：「急性リンパ性白血病」
要旨：
急性リンパ性白血病（ALL）は小児悪性腫瘍では最も頻度の高い疾患であり、本邦での発生数は年間450-500例と考えられている。現在ではALLのリスク分類の細分化が進み、最も予後良好な群では90%以上の治癒が期待できる。しかしその一方、化学療法では治癒が困難な群も存在する。ALLの治療にあたっては、それぞれのリスクに応じて、毒性が低くかつ治癒率の高い治療のみならず、晩期合併症をできるだけ回避できる適切な治療を確立していくことが重要である。
このセミナーでは、当院で経験したALL症例をまとめ、初発症状や治療成績について言及するとともに、現在進行中の臨床試験について紹介する。また、時にOncologic emergencyをきたすこともあり、その初期対応についても事例をまじえて概説したい。