日 時:平成28年6月2日(木)18:00~
場 所:産業医科大学2号館 2階 2208教室
担 当:産業医科大学小児科学 内分泌グループ
演 者:池上朋未、川北葵、荒木俊介、山本幸代
テーマ:バセドウ病合併母体から出生した児の管理
要旨:バセドウ病は代表的な自己免疫性甲状腺疾患で、妊婦の約0.2%が合併し、
生まれた児の1%に新生児バセドウ病を発症すると言われている。母体血清中の
甲状腺自己抗体が児に移行することが原因である。また、コントロール不良の母体
から出生した児は、経胎盤的移行により甲状腺機能充進症を胎内で呈しており、
下垂体一視床下部一甲状腺系が抑制されるため、出生後数日経過した後の中枢性
甲状腺機能低下症に対しての注意が必要である。また、母体が服用している抗甲状
腺剤やヨードの影響により甲状腺機能低下症を発症する場合もあり、多彩な病態の
理解、管理が必要である。
今回のセミナーでは、当院にで最近経験したバセドウ病のある母体から出生した児
の臨床的特徴について報告し、バセドウ病合併母体の妊娠中の管理、出生した児の
管理の要点や問題点について考えたい。