6月クリニカルカンファレンスのお知らせ

日 時:平成28年6月20日(月)19:00~
場 所:産業医科大学2号館 2階 2201教室
担 当:産業医科大学小児科学 新生児グループ
演 者:多久佳祐、清水大輔、菅秀太郎、荒木俊介

テーマ:16SrRNA遺伝子解析により診断したMycoplasma hominis 髄膜炎の一例

要旨:Mycoplasma hominis(M.hominis)はUreaplasmaなどとともに泌尿生殖器に常在する微生物の1つで、新生児に産道感染を起こすことが知られている。周産期におけるM.hominisの感染は絨毛羊膜炎や産褥熱、早産児における慢性肺疾患との関連性が報告されているが、新生児における侵襲的感染症の起炎菌としての報告は稀である。今回われわれは遷延する無呼吸を契機に髄膜炎、水頭症と診断した早産児において、起炎菌の同定に苦慮したが16SrRNA遺伝子解析により髄液からM.hominisを同定できた症例を経験した。
通常の細菌培養では起炎菌が同定できない新生児髄膜炎の管理において16SrRNA遺伝子解析は有用なツールであり、また起炎菌としてM.hominisも念頭に置いた治療戦略を考慮する必要性を示唆する貴重な症例であった。

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