日 時:平成28年6月2日(木)18:00~
場 所:産業医科大学2号館 2階 2208教室
担 当:産業医科大学小児科学 内分泌グループ
演 者:池上朋未、川北葵、荒木俊介、山本幸代

テーマ:バセドウ病合併母体から出生した児の管理

要旨:バセドウ病は代表的な自己免疫性甲状腺疾患で、妊婦の約0.2%が合併し、
生まれた児の1%に新生児バセドウ病を発症すると言われている。母体血清中の
甲状腺自己抗体が児に移行することが原因である。また、コントロール不良の母体
から出生した児は、経胎盤的移行により甲状腺機能充進症を胎内で呈しており、
下垂体一視床下部一甲状腺系が抑制されるため、出生後数日経過した後の中枢性
甲状腺機能低下症に対しての注意が必要である。また、母体が服用している抗甲状
腺剤やヨードの影響により甲状腺機能低下症を発症する場合もあり、多彩な病態の
理解、管理が必要である。
今回のセミナーでは、当院にで最近経験したバセドウ病のある母体から出生した児
の臨床的特徴について報告し、バセドウ病合併母体の妊娠中の管理、出生した児の
管理の要点や問題点について考えたい。

日 時:平成28年5月16日(木)19:00~
場 所:産業医科大学2号館 2階 2201教室
担 当:産業医科大学 総合周産期母子医療センター
演 者:菅 秀太郎

テーマ:「近くて遠い国内留学 〜九州大学病院NICUで経験した1年間〜」

要旨:人口増加が目覚ましい福岡都市圏の中核病院である九州大学病院にて2015年度に1年間国内留学という形で勤務させて頂いた。
九州大学病院NICUは総合周産期母子医療センターの中でも新生児外科・新生児循環器科・心臓血管外科・脳神経外科を併設し、扱う症例は多岐に渡る。
とりわけ重症度の高い症例は、近隣圏からの緊急搬送も受け入れている。
私自身もこれまで経験したことのなかった症例や治療方法・方針を経験し、1年間の国内留学の報告として、以下の4つのテーマについて発表する。
1、九州大学病院NICUの概要・取り組み
2、福岡都市圏新生児連絡会(FMNN)の紹介
3、ECMOを必要とするような重症呼吸障害児の対応、高次医療施設の搬送のタイミング
4、新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)の中に潜む遺伝性間質性肺疾患
Alveolar capillary dysplasia with misalignment of pulmonary veins (ACD/MPV) の解説

 

 

日 時:平成28年4月7日(木)18:00~
場 所:産業医科大学2号館 2階 2208教室
担 当:産業医科大学小児科学 感染・免疫グループ
演 者:保科 隆之

テーマ:接種率と至適回数接種からわかるワクチンの効果
要旨  :昨年、日本は麻疹排除国に認定された。また、乳幼児の細菌性髄膜炎罹患者は大幅に減少している。このように、ワクチン接種率の向上により、特定の感染症を撲滅することは可能である。一方で、ワクチン接種の中断により、特定の疾患が増加することもある。また、最適な時期に最適な回数を接種しなければ、ある程度以上の効果が望めない場合もある。今回のセミナーでは、麻疹、侵襲性細菌感染症、日本脳炎、水痘などのワクチンによって予防が可能な疾患の最近の罹患状況および健常者と比較した免疫不全患者のワクチンに対する免疫応答低下についての研究結果を説明し、接種率と至適回数接種からわかるワクチンの効果について考える。

日 時 : 平成28年3月14日(月)19時~
場 所 : 産業医科大学2号館 2階 2201教室
テーマ : 神経学的異常を伴い、早期の対応を必要とした症例の検討                                        ~小児救急領域における神経学的所見の重要性~(Q&A方式で最終診断を推理します)

症例提示
1. 1か月間で運動障害、不穏状態、不眠が増悪した14歳女児
産業医科大学小児科 下野 昌幸 先生

2. 発熱、頻回嘔吐、意識障害を主訴に受診した12歳女児
北九州市立八幡病院小児救急センター 生塩 加奈 先生

3. 右上肢の脱力と歩行時のふらつきを主訴に受診した12歳男児
JCHO九州病院小児科 大屋 周期 先生

 

 

日 時: 平成28年3月10日(木)19時~
場 所: 産業医科大学図書館 2階 2201教室
講 師: 地域医療機能推進機構 九州病院小児科部長 宗内 淳 先生

テーマ: 「小児肺高血圧の多様性~病態から治療を考える~」

要 旨:
小児肺循環の理解を深めるには、肺血管組織の発生・成長、胎児循環から新生児循環への移行、短絡疾患による血流量の影響、呼吸器疾患を背景とした低酸素による反応性、加えて炎症性疾患や血栓性素因など、多様な病態を想定することが必要である。肺高血圧治療の標的となるエンドセリン・NO・プロスタサイクリンの働きの理解を実際の症例を踏まえながら理解してゆきたい。

日 時:平成28年2月22日(月)19:00~
場 所:産業医科大学2号館 2階 2201教室
担 当:産業医科大学小児科学  腎グループ
演 者:森下高弘、原田真理

テーマ:当科における腎生検施行症例の検討

要 旨 : 当科では、2015年に計14例の腎生検を施行した。腎生検施行症例の内訳は、おもに慢性糸球体腎炎で、その他ネフローゼ症候群(1名)、急速進行性糸球体腎炎(1名)、遺伝性腎疾患疑い(1名)であった。症例をとおして腎生検の適応について考察する。また学校検尿のシステムや有所見者への対応、外来での検尿異常のみかたについて、わかりやすく解説したい。

日 時:平成28年2月4日(木)18:00~
場 所:産業医科大学2号館 2階 2201教室
担 当:産業医科大学小児科学 新生児グループ
演 者:金城 唯宗

テーマ:Transient abnormal myelopoiesis (TAM)の疫学、病態、治療に関する最新知見
要旨:Transient abnormal myelopoiesis(TAM, 一過性異常骨髄増殖症)はダウン症の新生児の
約10%に発症する一過性の類白血病反応であり、4年以内にその20~30%が急性巨核球性
白血病に進展する。発症の分子機構としてX染色体上のGATA1の遺伝子変異が明らかと
なっているが、詳細な仕組みは解明されていない。TAMは自然寛解例が多いが、一部は
致死的な肝線維症を発症する。治療として、近年では化学療法の有効性が報告されて
いるが、充分とは言えない状況である。今回、TAMの疫学や病態を概説し、治療に関し
て自験データも交えて検討する。

日 時:平成28年2月12日(金)19:00~

場 所:リーガロイヤルホテル小倉4F 「エメラルド」

プログラム:

① 一般演題

「乳児白血病化学療法後のカテーテル関連血流感染対策について」

演者:北九州市立八幡病院小児救急センター 松石 登志哉 先生

② 特別講演

「進行神経芽腫の治療戦略」

講師:国立成育医療研究センター 小児がんセンター長 松本 公一 先生

 

特別講演講師のご紹介:

今回特別講演をしていただきます松本公一先生は「小児がん拠点病院」の一つである国立成育医療研究センターにご勤務され、患者様の診療のみならず、「小児がん中央機関」のセンター長として日本の小児血液腫瘍の分野を牽引しておられる先生です。

今回は、「進行神経芽腫の治療戦略」というテーマで神経芽腫についてのご講演を賜ります。神経芽腫は白血病、脳腫瘍に次いで頻度の多い小児がんのひとつです。年間の発症率は日本全国で約300人程度とまれな疾患ではありますが、小児がん専門医でなくとも知っておかなければならない重要な疾患のひとつです。

専門の先生でなくても分かりやすいご講演になると思いますので、皆様のご参加を心よりお待ちし申し上げております。

日 時: 平成28年1月21日(木)19時~

場 所: 産業医科大学図書館 2階 2201教室

演 者: 産業医科大学医学部微生物学 教授 齋藤光正 先生

 

テーマ: レンサ球菌感染症 
-その多彩な病態と疫学、発症機序、治療に関する最新知見-

要 旨:

A群レンサ球菌 (Streptococcus pyogenes)感染症は、急性感染症と続発症の2つの疾患概念に大別することができる。急性感染症は、咽頭扁桃炎、皮膚化膿症から劇症型A群レンサ球菌感染症(STSS)まで様々な病態を取り得る。このうちSTSSは、突然発症したのち急速に全身に菌が播種して四肢の壊死、ショック、多臓器不全へと進行し、約30%が死亡する極めて致死率の高い感染症である。2015年は国内患者数が過去最多となり、マスコミ各社が「人食いバクテリア」とセンセーショナルに報道して脅威が広がっている。一体なぜ劇症化するのか、その発症メカニズムは十分に解明されていない。一方、免疫学的機序を介して発症する続発症として、急性糸球体腎炎、リウマチ熱がある。一菌種でこれほど多彩な病態を引き起こす菌はあまり類を見ない。このカンファレンスでは、A群レンサ球菌感染症の疫学、発症機序、治療についての最新知見を、オリジナルの調査データ、動物実験データも交えて概説する。