【産業医科大学小児科セミナー】

 

日時:令和4年3月24日(木)18:00~

場所:産業医科大学2号館2階2208教室

担当:循環器グループ

演者:清水 大輔

テーマ:こどもの心電図のみかた

要旨: 心電図は1903年にウィレム・アイントホーフェンによって発明された。100年以上の歳月を経て、スマートウォッチで不整脈の有無を確認できる時代となった。これまでも『脈がとぶ』という主訴で受診する患児が多くいたが、今後は『スマートウォッチで脈の異常を指摘された』と客観的な情報をもって受診される患児も増えてくるかもしれない。このような患児の診療には12誘導心電図が役に立つ。今回は『こどもの心電図のみかた』をテーマとし、リズム、軸、各波形など12誘導心電図を判読する際のポイントを説明し、各年齢での違いについても解説する。

【第13回八幡地区病院小児科合同カンファレンス】

 

日 時  : 令和4年3月14日(月)19時~

場 所  : 産業医科大学2号館2208教室

演 者  : 地域医療機構 九州病院 小児科部長 高橋保彦 先生

テーマ : 新生児医療から小児在宅医療へ。ー北九州市での35年の経験からー

 

要 旨  : 医学部生となったある冬の日、鹿児島市で五つ子誕生のニュースが日本中を駆け巡った。そのころから新生児医療をやりたいと思い、卒後すぐに開院して間もない福岡こども病院の門をくぐった。当時の新生児医療は産科から小児科への移行期だった。すべてが手探りで個人の技量や熱意がそのままに治療成績に反映された。今にして思えば冷や汗を禁じ得ない。

縁あって昭和61年に小児科主導の新生児治療室を開設すべく、経験未熟なまま九州厚生年金病院に招かれた。一人スタートだったため、市立小倉病院吉田(雄)先生や国立小倉病院向野先生らに教えを請いつつ、自病院ならびに北九州地区全体の新生児救急搬送システムの充実に努めた。当初8病院にあった新生児治療室(現NICU)は、新生児医療の高度化に伴い小倉地区2病院、八幡地区2病院に集約できた。

その後平成20年代になり、全国で周産期救急の危機が連日マスコミをにぎわせた。これは産婦人科医不足と医療の高度化に伴う一般小児科医では担うことのできなくなった新生児医療の専門性、さらに長期人工呼吸器患児のNICUベッドの占有が主な要因であった。

北九州市は幸いに行政・医師会・勤務医の連携が極めてスムーズで、こうした課題に対しても様々な協議会をどこよりも早くに立ち上げ、危機的状況への有効な対策を講じていくことができた。このシステムは将来に渡って安定的に運営されて行くことは間違いない。

この数年あまり、小児科の話題は「小児在宅医療」に尽きるといってよい。

昭和62年に小児HOTを開始し、平成6年には小児在宅人工呼吸療法にチェレンジした。在宅人工呼吸は溺水やALTE、脳炎脳症などで救急搬送され、臨床的脳死状態での在宅が少なくない。脳死臓器移植提供施設でありながら、小児の脳死臓器提供には踏み切れないジレンマがある。

小児在宅人工呼吸は家族の負担も大きく、当初は心配が尽きなかったが数多くの訪問看護ステーションのきめ細かなサポートを得ながら、年ごとに症例が増えていった。またそれとともに、当事者としてできる「レスパイト入院」制度を拡充していった。

今では「医療的ケア児」や「レスパイト入院」といった用語が医療のみならず、福祉や教育現場で飛び交うようになったことが何よりうれしく思える。

医師になって41年、うち36年間を北九州で育ててもらい皆様には感謝に堪えません。

新生児医療に始まり小児救急集中医療そして小児在宅医療と、気がつけばこの40年あまり小児医療の奔流に掉さし流れ着いたようです。その一端をお話させていただければ幸いです。

日時:令和4年2月24日(木)18:00~

場所:産業医科大学2号館2階2208教室

担当:新生児グループ

演者:北九州市立総合療育センター 小児科 高野志保先生、藤田弘之先生

テーマ:総合療育センター外来における療育方針決定までの流れとその後の療育内容について

〜カンガルー外来とこあら入所のご案内〜

 

要旨: 現在、療育センターの運動系初診では、大学病院や総合病院から年間140人程度の患児の紹介を受けている。小児科、整形外科、理学療法士(PT)または作業療法士(OT)が1時間ずつ診察し、その後のカンファレンスで療育方針を決定している。

当院の療育内容として、個別PT外来あるいは個別OT外来以外に、精神・運動ともに発達の遅れが強い小児を対象とした子育て・発達支援外来(カンガルー外来)や、入所して集中的に生活全般の支援・指導を行うこあら入所がある。これらの療育は患児の発達状況に応じて適宜変更することも多く、小児の発達や親のニーズに寄り添った療育を日々展開している。

今回は当院に運動系初診で紹介を受けた患児を数例提示し、初診時に療育方針をどのように決定しているかを説明する。その後、主にカンガルー外来とこあら入所について、それらの目的や活動内容をお伝えする。

紹介元の総合病院、大学病院、開業医の先生方に当院の療育内容を理解していただくことで、急性期病院から当院への移行時にも切れ目のない支援を提供できると考える。患児家族がより安心して日々の生活を送ることができるよう、我々のスムーズな連携方法を再考する機会としたい。

日時:令和4年2月21日(月)19:00~

場所:産業医科大学2号館2階2208教室

担当:腎グループ

演者:平川潤、五十嵐亮太、斉宮真理

テーマ:遠くて近いFabry病

 

要旨: Fabry病はライソゾーム病の一種であり、グロボトリアオシルセラミド(Gb3)などの糖脂質が様々な細胞に蓄積することにより、全身に多彩な症状が出現する疾患である。福岡県では拡大新生児スクリーニングの普及により、近年早期に診断に繋がる症例が増え、以前より身近な疾患となっている。今回のカンファレンスでは、酵素補充療法を行なっている小児例2例を提示し、「ファブリー病診療ガイドライン2020」の内容を含め、一般的知識から最近のトピックスについても併せて紹介する。

 

【産業医科大学小児科セミナー】

 

日時:令和4年1月20日(木)18:00~

場所:産業医科大学2号館2階2208教室

講師:大分大学医学部小児科学講座 教授 井原 健二 先生

テーマ:新生児の飢餓に関わる最近の知見:タンデムマスからオートファジーまで

 

要旨:哺乳類の胎児は胎盤・臍帯からの血流を介して安定的な酸素と栄養の供給を受けるが,出生後には劇的な変化が起こる.臍帯と胎盤から切り離された瞬間から新生児は母親からの栄養が途絶え,哺乳により母乳が安定的に供給されるまで絶食期間が生じる.今回の講演では,新生児期の飢餓に焦点を当て我々が経験した臨床的な話題と基礎研究の成果を紹介する.最初に,新生児マススクリーニングに関わる周産期医療の現場で問題になることがある,新生児期早期の栄養不足(飢餓状態)に起因したタンデムマス疑陽性の問題を提示し,潜在する社会背景を考案する.次に,新生児期の飢餓状態の肝ミトコンドリア代償機構を中心に,肝特異的オートファジーノックアウト新生仔マウスを用いたメタボローム解析研究を紹介する.

【産業医科大学小児科クリニカルカンファレンス】

 

日時:令和4年1月17日(月)19:00~

場所:産業医科大学2号館2階2208教室

担当:血液凝固・膠原病グループ

演者:伊藤琢磨

テーマ:こどものリウマチ〜関節型若年性特発性関節炎〜

 

要旨:若年性特発性関節炎(JIA)は16歳未満に発症し、少なくとも6週以上持続する原因不明の慢性関節炎である。症状や病態、治療から全身型と関節型に大別され、本邦では発熱や皮疹などの全身症状を伴う全身型が多いとされる。しかし、関節型JIAは本当に少ないのだろうか。痛みを周囲に伝えられなかったり、怠けていると思われて診断が遅れた症例を経験している。また、関節所見が見逃されていたり、「リウマトイド因子が陰性だからJIAではない」と誤った判断がなされていた症例もあった。今回のクリニカルカンファレンスでは、いくつかの症例を共有し、関節型JIAの特徴や成人関節リウマチとの違いを検討することに加えて、演者が専門研修で習得した関節診察手技を紹介する。明日の診療から使える関節診察が早期診断につながることを願う。

【産業医科大学小児科クリニカルカンファレンス】

日 時 : 令和3年12月13日(月)19:00~

場 所 : 産業医科大学2号館 2階 2208教室

 

演者1: 渡邉 俊介

テーマ: 神奈川県立こども医療センターNICUに国内留学をして

〜早産児の循環管理を中心に〜

要 旨 : 極低出生体重児の長期予後には在胎週数や慢性肺疾患、脳室内出血が負の

要因として関与している。日本の周産期医療は世界トップクラスの治療成績である

が、国内でも早産児の管理は施設間で異なっており、治療成績にも違いがある。神奈

川県立こども医療センターNICUは、超音波検査を用いた早産児の循環管理の先駆けで

あり、きめ細かい管理により脳室内出血や肺出血などの合併症が少ない施設である。

神奈川県立こども医療センターNICUで行われている早産児の循環管理を中心に、私が

経験した1年間を紹介する。今回の経験を通して、今後当院での診療に還元していき

たい。

 

演者2: 重田 英臣

テーマ: 福岡市立こども病院での研修報告

~いろんな科をみて回って学んできて~

要 旨 : 2020年10月から2021年9月までの1年間、福岡市立こども病院の専攻医

として研修をする機会をいただきました。福岡市立こども病院には、小児科の各領域

のエキスパートが集まっています。3か月ごとに病棟をローテートすることで様々な

科をまわり、幅広い分野の症例を経験することができました。また、専攻医に対する

教育も盛んであり、ランチセミナーやカンファレンスなどを定期的に開催していま

す。後期修練医として、福岡市立こども病院での1年間について報告したいと思いま

す。

 

日 時: 令和3年11月25日(木)18:00~

場 所: 産業医科大学2号館3階 2305教室

 

演者1: 齋藤 玲子

テーマ: 東京都立小児総合医療センター内分泌・代謝科での研修報告

~スタンダートな診断・治療とは~

要 旨 : 今回、2020年4月から1年間、年間1,000人以上の初診患者が受診する西

東京の中核病院である東京都立小児総合医療センターの内分泌・代謝科で研修をする

機会を頂いた。内分泌・代謝科では、common diseaseだけではなく、稀少疾患も含

め多岐に渡る疾患を主治医として治療させて頂き、疾患毎にチームを組みながら、様

々な経験を積むことができた。

また、ディスカッションを重ねる中で、ガイドラインの解釈が各施設で異なる事を痛

感した。過去の自分の治療を振り返り、ガイドラインを見つめなおす考えるいい契機

となった。今後の診療で還元していきたいと考えている。

1年間の研修を通して経験した臨床の考え方、稀少疾患をみるうえで必要なチーム医

療、臨床研究の大切さに加え、医師として必要な姿勢についても学ぶことが多かった

ため、あわせて紹介する。

 

演者2: 川村 卓

テーマ: 福岡市立こども病院アレルギー・呼吸器科研修で学んだこと

(+産業医の経験)

要 旨 : 2019年5月から2021年4月まで週1回、福岡市立こども病院アレルギー

・呼吸器科で勉強させていただきました。

食物アレルギーの食物経口負荷試験、アトピー性皮膚炎のスキンケア指導、気管支喘

息の各種検査と病態評価に加え、稀少疾患等も幅広く経験させていただき、多くを学

ぶことができました。

その経験を活かし、5月から産業医科大学でアレルギー外来を開設しており、そこで

行っている現在の診療内容もお示しいたします。

アレルギー診療をしていて「ここがやりがいがある!」という点もお伝えできればと

思います。

また、僭越ながら今後の展望も語らせていただきたいと思います。

加えて、産業医中に学び、小児科診療に活かせると思った知識・経験もお伝えします。

【産業医科大学小児科クリニカルカンファレンス】

 

日 時 : 令和3年11月8日(月)19:00~

場 所 : 産業医科大学2号館 2階 2208教室

担 当 : 内分泌・代謝グループ

演 者 : 九州労災病院小児科 河田 泰定

テーマ: 小児内分泌外来-様々な子どもたち-

要 旨 : これまで,たくさんの内分泌疾患の子どもたちを診療してきた。

今年度で,定年を迎えるにあたり,総括的に振り返ってみたい。

長年ポリクリで使用していた資料をベースに,各種内分泌疾患について,

概説する。具体的には,①成長障害;低身長,②甲状腺疾患;クレチン症,

バセドウ病,慢性甲状腺炎,③副腎疾患;先天性副腎皮質過形成症,④性腺;

思春期早発症,⑤ターナー女性,⑥小児糖尿病について,自験例を紹介する。

 

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産業医科大学小児科学教室

〒807-8555 福岡県北九州市八幡西区医生ヶ丘1-1

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