日 時:平成28年4月7日(木)18:00~
場 所:産業医科大学2号館 2階 2208教室
担 当:産業医科大学小児科学 感染・免疫グループ
演 者:保科 隆之

テーマ:接種率と至適回数接種からわかるワクチンの効果
要旨  :昨年、日本は麻疹排除国に認定された。また、乳幼児の細菌性髄膜炎罹患者は大幅に減少している。このように、ワクチン接種率の向上により、特定の感染症を撲滅することは可能である。一方で、ワクチン接種の中断により、特定の疾患が増加することもある。また、最適な時期に最適な回数を接種しなければ、ある程度以上の効果が望めない場合もある。今回のセミナーでは、麻疹、侵襲性細菌感染症、日本脳炎、水痘などのワクチンによって予防が可能な疾患の最近の罹患状況および健常者と比較した免疫不全患者のワクチンに対する免疫応答低下についての研究結果を説明し、接種率と至適回数接種からわかるワクチンの効果について考える。

日 時 : 平成28年3月14日(月)19時~
場 所 : 産業医科大学2号館 2階 2201教室
テーマ : 神経学的異常を伴い、早期の対応を必要とした症例の検討                                        ~小児救急領域における神経学的所見の重要性~(Q&A方式で最終診断を推理します)

症例提示
1. 1か月間で運動障害、不穏状態、不眠が増悪した14歳女児
産業医科大学小児科 下野 昌幸 先生

2. 発熱、頻回嘔吐、意識障害を主訴に受診した12歳女児
北九州市立八幡病院小児救急センター 生塩 加奈 先生

3. 右上肢の脱力と歩行時のふらつきを主訴に受診した12歳男児
JCHO九州病院小児科 大屋 周期 先生

 

 

日 時: 平成28年3月10日(木)19時~
場 所: 産業医科大学図書館 2階 2201教室
講 師: 地域医療機能推進機構 九州病院小児科部長 宗内 淳 先生

テーマ: 「小児肺高血圧の多様性~病態から治療を考える~」

要 旨:
小児肺循環の理解を深めるには、肺血管組織の発生・成長、胎児循環から新生児循環への移行、短絡疾患による血流量の影響、呼吸器疾患を背景とした低酸素による反応性、加えて炎症性疾患や血栓性素因など、多様な病態を想定することが必要である。肺高血圧治療の標的となるエンドセリン・NO・プロスタサイクリンの働きの理解を実際の症例を踏まえながら理解してゆきたい。

日 時:平成28年2月22日(月)19:00~
場 所:産業医科大学2号館 2階 2201教室
担 当:産業医科大学小児科学  腎グループ
演 者:森下高弘、原田真理

テーマ:当科における腎生検施行症例の検討

要 旨 : 当科では、2015年に計14例の腎生検を施行した。腎生検施行症例の内訳は、おもに慢性糸球体腎炎で、その他ネフローゼ症候群(1名)、急速進行性糸球体腎炎(1名)、遺伝性腎疾患疑い(1名)であった。症例をとおして腎生検の適応について考察する。また学校検尿のシステムや有所見者への対応、外来での検尿異常のみかたについて、わかりやすく解説したい。

日 時:平成28年2月4日(木)18:00~
場 所:産業医科大学2号館 2階 2201教室
担 当:産業医科大学小児科学 新生児グループ
演 者:金城 唯宗

テーマ:Transient abnormal myelopoiesis (TAM)の疫学、病態、治療に関する最新知見
要旨:Transient abnormal myelopoiesis(TAM, 一過性異常骨髄増殖症)はダウン症の新生児の
約10%に発症する一過性の類白血病反応であり、4年以内にその20~30%が急性巨核球性
白血病に進展する。発症の分子機構としてX染色体上のGATA1の遺伝子変異が明らかと
なっているが、詳細な仕組みは解明されていない。TAMは自然寛解例が多いが、一部は
致死的な肝線維症を発症する。治療として、近年では化学療法の有効性が報告されて
いるが、充分とは言えない状況である。今回、TAMの疫学や病態を概説し、治療に関し
て自験データも交えて検討する。

日 時:平成28年2月12日(金)19:00~

場 所:リーガロイヤルホテル小倉4F 「エメラルド」

プログラム:

① 一般演題

「乳児白血病化学療法後のカテーテル関連血流感染対策について」

演者:北九州市立八幡病院小児救急センター 松石 登志哉 先生

② 特別講演

「進行神経芽腫の治療戦略」

講師:国立成育医療研究センター 小児がんセンター長 松本 公一 先生

 

特別講演講師のご紹介:

今回特別講演をしていただきます松本公一先生は「小児がん拠点病院」の一つである国立成育医療研究センターにご勤務され、患者様の診療のみならず、「小児がん中央機関」のセンター長として日本の小児血液腫瘍の分野を牽引しておられる先生です。

今回は、「進行神経芽腫の治療戦略」というテーマで神経芽腫についてのご講演を賜ります。神経芽腫は白血病、脳腫瘍に次いで頻度の多い小児がんのひとつです。年間の発症率は日本全国で約300人程度とまれな疾患ではありますが、小児がん専門医でなくとも知っておかなければならない重要な疾患のひとつです。

専門の先生でなくても分かりやすいご講演になると思いますので、皆様のご参加を心よりお待ちし申し上げております。

日 時: 平成28年1月21日(木)19時~

場 所: 産業医科大学図書館 2階 2201教室

演 者: 産業医科大学医学部微生物学 教授 齋藤光正 先生

 

テーマ: レンサ球菌感染症 
-その多彩な病態と疫学、発症機序、治療に関する最新知見-

要 旨:

A群レンサ球菌 (Streptococcus pyogenes)感染症は、急性感染症と続発症の2つの疾患概念に大別することができる。急性感染症は、咽頭扁桃炎、皮膚化膿症から劇症型A群レンサ球菌感染症(STSS)まで様々な病態を取り得る。このうちSTSSは、突然発症したのち急速に全身に菌が播種して四肢の壊死、ショック、多臓器不全へと進行し、約30%が死亡する極めて致死率の高い感染症である。2015年は国内患者数が過去最多となり、マスコミ各社が「人食いバクテリア」とセンセーショナルに報道して脅威が広がっている。一体なぜ劇症化するのか、その発症メカニズムは十分に解明されていない。一方、免疫学的機序を介して発症する続発症として、急性糸球体腎炎、リウマチ熱がある。一菌種でこれほど多彩な病態を引き起こす菌はあまり類を見ない。このカンファレンスでは、A群レンサ球菌感染症の疫学、発症機序、治療についての最新知見を、オリジナルの調査データ、動物実験データも交えて概説する。

日 時:平成28年1月18日(月)19:00~
場 所:産業医科大学2号館 2階 2201教室
担 当:産業医科大学小児科学 膠原病・凝固グループ
演 者:押田康一、白山理恵、佐藤哲司

テーマ:小児の血栓症

要 旨 :小児期に血栓症を発症することは珍しく日常診療の中で遭遇することはまれである。その理由として、
小児の止血生理の特異性、血管障害の蓄積が少ないこと、さらに血栓症の危険因子に暴露されていないことに
よると理解されている。しかし,プロテインC,プロテインS異常症のホモ接合体などのように新生児期から重篤な
血栓症を来す先天性血栓性疾患も存在する。また、小児期に発症する後天性の血栓性疾患は診断技術の向上
とともに増加傾向にある。小児の血栓塞栓症は不明のことも多く、今回は、PC欠損症の児と、劇症型抗リン脂質
抗体症候群の2症例をピックアップして診断と管理に関して振り返ってみたい。また、血栓症の管理については
最近のトピックスであるXa阻害薬についても紹介する。

日 時:平成27年12月14日(月)19:00~
場 所:産業医科大学2号館 2階 2208教室
担 当:産業医科大学小児科学 神経グループ
演 者:浅井完 千手絢子 石井雅宏 下野昌幸

テーマ:小児重症筋無力症
症例:12歳3か月の女児。間歇的な複視と眼瞼下垂が出現したため、近医脳神経外科を受診し頭部MRI検査を施行された。
画像では異常なく症状も軽減しておりフォロー終了になった。しかしその後複視、眼瞼下垂の悪化と両上肢の脱力、
嚥下困難も出現した。再度他院で頭部MRI検査を実施されたが異常は認めなかった。その後更に悪化したため当院を初診。
経過から重症筋無力症が疑われたが抗AchR抗体陰性、エドロホニウム試験陰性であり精査目的で入院。入院後精査を行い
抗MuSK抗体陽性の全身型重症筋無力症と診断した。血漿交換療法4回とステロイドパルス治療を2回施行し、症状は
完全寛解した。後療法としてタクロリムス3mgとプレドニン25mg内服し退院した。

重症筋無力症は、神経筋接合部のシナプス後膜上にあるいくつかの標的抗原に対する自己抗体の作用により、神経筋接合部
の刺激伝達が障害されて生じる自己免疫疾患である。本邦では重症筋無力症の全患者のうち小児期発症が約10%程度を
占めることが知られており、日常診療で眼球運動障害や眼瞼下垂の患児を診た場合、必ず念頭に置くべきで疾患である。
上記の症例を提示し
①    入院後に何がきっかけで診断がついたのか?血漿交換までした理由は何なのか?

②    眼瞼下垂や眼球運動障害を診た時の検査や鑑別はどうしたらよいのか?
③    抗AchR抗体陽性の重症筋無力症の経過や特徴は何なのか?
④    抗MuSK抗体陽性重症筋無力症とは?抗AchR抗体陽性の重症筋無力症と何が違うのか?
について概説します。

日 時:平成27年11月16日(月)19:00~
場 所:産業医科大学2号館 2階 2201教室
担 当:産業医科大学小児科学 内分泌グループ
演 者:江口真美,後藤元秀,荒木俊介,河田泰定,山本幸代

テーマ:家族性高コレステロール血症:病態・診断・治療のUpdate
要旨:
家族性高コレステロール血症(FH)は、low densitylipoprotein(LDL)受容体関連遺伝子の変異による常染色体優性遺伝形式の遺伝性疾患で、ヘテロ接合体は500人に1人以上の割合で存在することが知られており、日常臨床で必ず接する病気です。生下時から高コレステロールに曝露されるため動脈硬化の進展が著しいこと、一人のFH患者から家族のFH患者を早期発見早期治療できることから、早期に診断することが重要です。しかし診断率の低さが問題となっており、小児FHのスクリーニングと小児期の治療方針をいかにすべきかといった課題もあります。
今回は、黄色腫を契機に発見された、FH複合へテロの2例を提示し、小児FHの治療方針をいかにすべきかといった問題を考察したいと思います。またMTP阻害薬など新薬の開発が進んでおり、2例も国際治験への参加が予定されているため、その情報も紹介する予定です。